オゾン分解剤

目的:排オゾンガスの分解
用途:浄水場、プール、オゾンを発生する各種工業等。

  • 粒状品
セカード MR-4
  • 成形品
セカード KR
  • トータルシステム
SK型
SKH型

オゾンは近年、その強力な酸化力を利用し、液体、気体中の有害物質の分解や殺菌・ウイルスの不活化・脱臭・脱色・有機物の除去など、環境浄化手段として広く用いられています。

また水道水やプール等の殺菌に、塩素の代わりにオゾンを用いる国も多くなりました。
日本では東京都水道局、大阪市水道局、阪神水道企業団、大阪広域水道企業団等で水道水の高度浄水化システムにおいて殺菌の一環として用いられており、追随する地方公共団体や水道運営事業者、プール等も増えてきています。
電子線照射等のオゾンを発生するような工業や、医療・介護・食品・酪農など農業の分野でも、殺菌・消臭・廃棄物処理目的で使われることが多くなりました。

しかし使用後排出される余剰オゾンは低濃度であっても人体に有害であり、光化学スモッグの主成分としても強い関心が寄せられています。
工業用の高出力電子加速器からは、人体及び周辺環境に与える影響が無視できないほどに高濃度のオゾンが大量発生しており、その除去処理が強く求められるようになりました。

オゾン除去方法としては熱分解法、活性炭法、薬品洗浄法、触媒分解法等がありますが、効率や費用面から活性炭による分解法が主に採用されてきました。
しかし活性炭のみで処理をする場合、高濃度になると発熱・爆発の危険性があり、特にNOx(窒素酸化物)が共存していると極めて危険です。その為、活性炭のみで処理する場合、通常は予防処置を施した使用法を採ります。

当社のセカードKR、MR-4は、吸着剤であるアルミナ・シリカゲル(アロフェン)を主体にオゾン分解専用の特殊粉末活性炭を配合・成形したものです。ゆっくりと反応し燃焼するため、急激な発熱や爆発を防ぎます。
分解機構としては下記の様な化学式及び一部触媒効果があり、活性炭のみのものとは異なります。

C+2O₃=CO₂+2O₂

分解後もアルミナ・シリカゲルが担体として強く保持しているために、外観が灰色に変色する程度で粉化することはほとんどありません。
この様に適正な濃度管理の下、正しく利用している限りは危険性の無い安全なオゾン分解剤として、日本原子力研究所の協力の下に開発された製品です。